【山梨フルーツライン】フルーツ業界の変化とこれからの展望【インタビュー第三回】


「多くの人にフルーツを届けたい」といった強い想いから生産者へ無償で土地をも提供している山梨フルーツライン。前回(【第二回インタビュー】生産者と消費者へのまごころが詰まった営農塾)に引き続き、今回も山梨フルーツラインを運営する手塚建(たつる)さんに「農業の未来」をテーマにお話をうかがいました。

 

“おやつ”の変化でフルーツの生産量が減少

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―20代から40代を中心に年々消費量が低下していると言われていますが、フルーツの生産販売に関わる立場として原因はどのようにお考えでしょうか?

手塚建さん(以下、手塚):まず60代以上の人に果物を買い支えてもらっているっていうイメージなんですね。では、なぜ20代から40代以下が食べないのか。それは”おやつ”の存在なんですよね。小さい頃から、家に帰ってきて「おやつ」っていうとプリンとかヨーグルトとか…アイスを食べてるんですよね。値段的にも手頃ですし、果物みたいに剥かなくて済むので親が楽なんですよね。
おやつ・デザートが、昔はフルーツだったのが、今はお菓子に変わってしまった。お菓子はフルーツと違って味もバラつきがなく、絶対に同じ味というのも大きい。そういうものに変わってきてしまって、果物の消費量がすごい落ちているんです。
だから、あえてフルーツみたいなちょっと高いものを日常的に食べるないわけです。
おじいちゃん、おばあちゃんは、フルーツやおはぎ、お芋なんかをひと手間かけて食べるのが当たり前だったんですよね。だから今も果物の消費量は60代以上の人達に支えてもらってるっていうのが現ですかね。

 

―コンビニの存在も大きいですよね
手塚:そうですね。スーパーマーケットに足運ぶ若者って少ないと思うんですよ。特に都内とかだと。一人暮らしていたら外食で、何か足りないものはコンビニ。そうするとフルーツに出会わない。
プリンとかも100円台と安くて、変わらない味。じゃあ私たちはどうしたらおいのかというと、100円の商品に負けない商品を作っていかないといけないから、桃が一つ100円で提供できるように努力するっていうのと、プリンのようにいつ食べても同じような桃の味を作っていかないといけない。工業製品で作っているものに対しての勝負なんです。山梨県産の桃は、福島や和歌山産の桃と勝負するんじゃないんです。お菓子と呼ばれる自然とは別に作られた商品とずっと勝負していかないといけないのかなと思っています。

 

フルーツを多くの人々に伝えていくには

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―低価格で変わらない味であるお菓子に対してどのように対抗していこうと考えていますか?
手塚:まずは、お手軽にどこでも手に入るようにしていきたいです。「高い」っていうイメージを消し去りたいっていうのと、昔のように当たり前のように食卓に並べる環境を作っていかないといけないとも思います。
お菓子類っていうのはデザインもすごい重要で。パッケージとか、メディア使って宣伝していくのが、今の時代、特に若い世代の人達には必要なんですよね。
自然で出来たものを食べさせたい。一番安全ですから。加工されたものっていうのは、何か手が加えられてますよね。賞味期限が長いっていうことは、やっぱり何かがあるわけだから。自分の子供へ最初に食べさせるものが、加工品じゃなくて自然で出来たものであって欲しいですよね。

 

これからはネットよりも農業の時代

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―手塚さんは、農業をもっと若者に広めたいとのことですが、それはどういった想いからでしょうか?
手塚:農場は宝石箱なんです。インターネットの世界へ若い人達がどんどん入っているけれど、一番狙い目は農業系だと思うんです。農業系で高齢化が進んでいるからこそ、若い子達が進出してったほうがいい。食って絶対必要ですから。インターネットはなくても生きていける。
どんなに動かなくても、絶対に口になんか入れていかなくちゃいけないじゃないですか。その担い手が全然いないことも問題ですよね。インターネットよりも可能性はいっぱい眠ってると思いますね。言ってしまえば、アメリカンドリームならぬジャパンドリームでしょう。農作物を海外に発信するのは日本だと思いますし。
輸出では桃が1万円で取引されることもあるくらいですからね。

自分が農業を始めたのが24歳くらい。同じ24歳ぐらいで初任給が23〜24万円という時代で、どんなに頑張ってもそれだけ。独身で稼ぎたい時だった。そしたら実家の農家で一所懸命やったほうが早いなって。もちろん自分の家でやってやるのと別に、土地を借りれば全部自分のボーナスになるからさ。やったらやった分だけ稼げる。
それに、技術的な事は世界で一番なんだけど、農業は売り込むのが非常に下手なんですよね。だから、そこらへんとインターネットに強い若い人たちが考えてやっていけばより上手くいくと思いますよ。

 

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【山梨フルーツライン】
桃、ぶどう、柿を中心に、安心でおいしい果物を丹精込めてお客様に提供し続けている山梨県の農業法人。生産・販売だけでなく、未来の日本の農業を担う生産者育成・支援も務めている。
http://fruitsline.jimdo.com/